2018年04月14日

ゲーテとヘルダーリンの続き


昨日、ゲーテの銀杏の葉を訳して力尽きたヤマガミ。
でも、こうやって詩を言葉をじっくりと味わい
ひとつひとつの語句を吟味しながら流れを作るという作業は、
感性と知性をフル回転させてとっても面白かったですね。
久しぶりに、ドイツ語とも真剣に向き合えたし。

ゲーテが巨人としたら、ヘルダーリンは何だろう
さすらい人?
叙情や創作の川を漂い、彷徨い、新たな光を見出し
やがて豊かな水を湛えた泉にたどりつくような
そんな詩人。

昨日はゲーテの詩を訳したので、今日はヘルダーリンの詩を。
さすがに、今日は持っている全集2巻、手塚富雄さんの訳で。

『HÄLFTE DES LEBENS』

Mit gelben Birnen hänget
Und voll mit wilden Rosen
Das Land in den See,
Ihr holden Schwäne,
Und trunken von Küssen
Tunkt ihr das Haupt

Ins heilignüchterne Wasser.
Weh mir, wo nehm'ich, wenn
Es Winter ist, die Blumen, und wo

Den Sonnenschein,
Und Schatten der Erde?
Die Mauern stehn
Sprachlos und kalt, im Winde
Klirren die Fahnen.

「人生の半ば」

黄色い梨はたわわに実り
そして野薔薇は咲き誇り

大地は湖の上に降り、
愛らしい白鳥たち、
口づけに酔いしれて
その頭をひたす

聖らかで冷たい水の中に
ああしかし、どこに求めればいいのだ、もし
冬が来たら、花を、そしてそう
日の光を
地上に射す影を?

石垣は立つ
声もなく冷ややかに、風は
風見を軋ませる。

***

手塚さんはヘルダーリンの詩を訳すにあたってこんな事を書いています。
「交響的とされるヘルダーリンの詩の特徴が『人生の半ば』に見事に凝縮されている
当然だが原文で読まなければその魅力は伝わらない。
一〜三行目の躍動のテンポから、四〜六行目までの抑制へ移り、
七行目で重厚に洗い流される。
八行目のテンポを継ぎ、九行目は三つの節でしみじみと緩やかに波打つ。
十行目の毅然としたアクセントが十一行目でそのアクセントをたおやかに伸ばす
十二行目も結句の始まりにふさわしいアクセント、十三行目にまたそれを受けながら、
しかし「im Winde」が、厳粛な一音を成している。
全体を通して読むと、まさに重奏の調べとしてこの上なく美しい。」

***

私はヘルダーリンが本当に好きなのですけれど
こうやってヘルダーリンの詩をあらためて読むと
巨人は、実はゲーテではなくヘルダーリンかも、と思います。

ヘルダーリンの続き、をまた明日書きたいと思います。

今日のところは、これで!







posted by yukiko at 21:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記